ふゆ(@shikifuyu25)です、こんばんは!
今回は、三秋縋さんの7作目「君の話」を読了したので、感想です。
君の話は不思議な話で、たった2人の架空の人物の恋愛のお話です。
記事の内容は以下のようになります。
あらすじ:優しい嘘をつく架空の幼馴染に恋をした
出会う前から続いていて、始まる前に終わっていた、恋の話。
君の話/三秋縋
- 天谷千尋
- 夏凪灯花
千尋が灯花の記憶を頭に埋め込み、花火・祭り・音楽などによって、偽物の記憶を思い返します。
灯花とは架空の存在であるのに、実際に存在して目の前に現れます。
君の話の面白かったポイント
君の話の面白かったポイントは3つあります。
記憶を買える、作れる世界
記憶を買って埋め込める、偽物の記憶を自分の過去に入れることが出来ます。
青春時代にモテてちやほやされる過去、理想の妻と結婚していた過去などです。
千尋は幼馴染がいてずっとそばにいてくれる過去を誤って埋め込みました。
偽物の記憶を作れる、理想の過去を自分が体験したかったことを作る仕事もあります。
架空の実在しない人との恋愛
偽物の記憶に存在する幼馴染に恋をします。
誤って埋め込んだ記憶であるのに、自分の理想の相手と過ごした過去であるので、たまらなく好きになっていきます。
架空の実在しない人である幼馴染が目の前に現れます。
実在しない存在である幼馴染が本当の幼馴染なのか、混乱しながらも惹かれていき、ひと夏を過ごします。
2人のためだけの物語
君の話は千尋と灯花のためだけの物語です。
前半と後半で、千尋視点と灯花視点で物語が入れ替わります。
千尋視点での灯花との出会いと、記憶を失った灯花視点での千尋との出会い。
違った視点の中に共通点があり、読者としてはすべてを知っているので、楽しめます。
君の話の印象に残った名言
自分の中で一番美しい記憶が他人の作り話だなんて、虚しすぎる
記憶を買える、作れる世界であるために、この考え方が出てきます。
他人の人生を生きているのに、自分のことのように感じて、本当は違うと絶望します。
君は君の幸せを、もう少し信じてあげてもいいんじゃないかな
記憶を失った灯花に向けて、過去の千尋自身に向けて、千尋のセリフです。
不幸に慣れている人は、自分が幸せであると信じにくいとこは共感できました。
世界で一番優しい嘘をつく仕事
偽物の記憶を作る仕事のことです、嘘であることを知ってても幸せになりたい人はいます。
どんなに幻想でも他人から見たらかわいそうでも、本人が幸せならいいですよね。
感想:君の話/三秋縋
君の話は記憶を買って、理想の過去を自分の中に入れられる世界。
だから、自分だったらと置き換えて考えることが多かったです。
前半と後半で、視点が入れ替わり灯花が幼馴染として現れた理由や、2人のためだけの記憶と物語。
読んでいて、もどかしい感情になりました。
最後も千尋が灯花との思い出をもとに作った記憶がどこかのだれかと対になっていると考えると素敵でした。
まとめ:優しい嘘をつく架空の幼馴染に恋をした
三秋縋さんの7作目「君の話」の感想でした。
君の話の世界になり、自分の青春を取り戻してみたいです。
三秋縋さんは他にも「恋する寄生虫」「スターティングオーバー」を書いています。
詳しくは、三秋縋さんのおすすめ作品を見てください。
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