今回は、三日間の幸福を読了したので感想の記事です。
読んだ作品は三秋縋さんの2作目「三日間の幸福」です。
三日間の幸福は、クライマックスでタイトルの意味が分かりますが、よく考えると幸福ではないです。
読んでいて違和感なく「幸福だな」と感じさせられるストーリー展開があります。
記事の内容は、以下のようになります。
あらすじ:寿命を売った青年と時間を売った少女
寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。
三日間の幸福/三秋縋
寿命・健康・時間を売れる世界です。
主人公のクスノキは寿命の価値を知り、3か月を残して全部売ります。
寿命が少なくなったクスノキが自暴自棄や変な行動を起こさないように、
監視として時間を売った少女ミヤギがクスノキを監視します。
三日間の幸福の面白かったポイント4つ
寿命・健康・時間を売れる世界
寿命・健康を売ると、お金が手に入ります。
時間を売ることは監視人として働くことです。
時間だけ毛色が少し違いますが、時間を売ってでも健康を買いたい人などがいます。
寿命・健康などは査定だけでも、有意義に使えそうですよね。
寿命の価値が高いと、これからすごいことを起こせるという希望になります。
クスノキとミヤギの関係性の変化
寿命を売った青年クスノキと時間を売った少女ミヤギの関係性の変化。
最初は監視人と監視対象です。
ストーリーが進むにつれて、お互いのことを知っていきます。
疎ましく感じていたはずなのに、 ミヤギの不幸な生い立ちを知り、惹かれていきます。
クスノキにしか見えないミヤギを、周囲の人の目を気にせずに、クスノキはミヤギがいることを周囲に全面に押し付けていきます。
30年より価値のある30日
物語の終盤に、クスノキは自分の人生の価値を絵を描いたこと最大限に高めます。
高められたきっかけは、ミヤギからです。
「自分のため」に絵を描いたことで、クスノキは才能を開花させました。
クスノキは残りの30日で教科書に載り、永遠になれるチャンスがありました。
永遠になれるチャンスを捨ててでも、ミヤギの借金返済のために、価値を高めた寿命を全部売りました。
タイトルの意味が分かるクライマックス
人生最後、三日間の幸福です。
周囲の人から見えない透明人間であったミヤギも寿命を売り、借金を返して、実在する人間になります。
クスノキとミヤギは最後にたくさんの人に囲まれて、最後の三日間を幸福に過ごしたはずです。
三日間の幸福の印象に残った名言
「失敗をしることと成功をしることは、そもそも、まったくの別物なんだな」
三日間の幸福/三秋縋
古書店の老店主のセリフ
失敗をたくさんしても、失敗の方法を知っただけで、成功の方法を知ったわけじゃない。
自分が失敗をしたから、他の方法でやってみても、失敗のことは多いです。
成功をするまで、失敗を繰り返した方がいいですね。
「思い出があるってだけで、きっと、生きることは幾分も楽になるものなんですよ」
三日間の幸福/三秋縋
ミヤギのセリフです。
大切な思い出はたくさんあった方がいいですよね。
生きることが辛いことはありますが、思い出があるおかげで、励まされたり前向きになれることってたくさんありますね。
感想:三日間の幸福/三秋縋
三日間の幸福は、寿命・健康・時間を売れる世界という、アイデアが秀逸でした。
全体を通して、かわいそうな話が多いですが、楽しんで生きている姿に前向きになりました。
人生最後、三日間が過ぎたらいなくなるのに、2人は幸福なんだなと感じさせられました。
まとめ:寿命を売った青年と時間を売った少女
三秋縋さんの2作目「三日間の幸福」の感想でした。
寿命の価値や人生観を考えさせられる、読む価値がある小説です。
三秋縋さんは他にも「スターティングオーバー」「いたいのいたいの、とんでゆけ」などを書いています。
詳しくは、三秋縋さんのおすすめ作品を見てください。
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