ふゆ(@shikifuyu25)です、こんばんは!
今回は、「いたいのいたいの、とんでゆけ」を読了したので感想の話です。
読了した作品は三秋縋さんの3作目「いたいのいたいの、とんでゆけ」です。
人生の目的も生きがいもない青年が、復讐する少女を美しいと感じて、恋に落ちていきます。
物語の随所に挟まる夢の内容が最後に明らかになります。
記事の内容は、以下のようになります。
あらすじ:復讐する少女を美しいと感じた青年
僕に殺された少女は、死の瞬間を”先送り”することで生き延びた。
彼女は残された貴重な十日間を、「あること」に費やす決意をする。
いたいのいたいの、とんでゆけ/三秋縋
主人公の湯上が中学生のころに心の支えにしていた文通相手。
文通相手の日隅に改めて、手紙を出し、出会おうとするときから始まります。
出会えずに帰るときに、飲酒運転でひいてしまった少女の復讐を手伝う物語です。
いたいのいたいの、とんでゆけの面白かったポイント4つ
自分の嫌なことを先送りできる
少女は自分の嫌なことを一定期間先送りにできます。
傷だらけでいじめられっこの悲しい人生を歩んできた少女の願いが力となり叶っています。
具体的に先送りはというと、自分に不都合なこと(車でひかれた、傷を付けられた)をなかったことにできます。
あくまで先送りなので、起こってしまったことは変えられません。
少女自身は先送りで生き延びているだけなので、先延ばしている期間はなにをしても、結局なかったことになります。
親友の進藤と隣人の美大生
親友の進藤は、死にたがっていて、日常の笑っているところからすっといなくなることを望んでいました。
湯上にとっては、進藤の存在のおかげで救われていました。
隣人の美大生は、引きこもりでひねくれています。
湯上のことを、随所で助けています。
美大生本人には、自ら進んで助けようとはしてないですが、いつもきっかけをくれていた存在です。
2人のキャラクターと湯上との関係性は復讐の息抜きとして大切な存在です。
人殺しと自分が殺した相手との復讐と恋愛
少女は自分を傷つけてきた人たちへの復讐を始めます。
湯上は償いとして、復讐の手伝いをします。
最後の復讐相手は湯上、湯上が殺した少女が湯上を殺すために手伝いを行います。
湯上は復讐を手伝っているうちに、少女が復讐している姿に惚れていきます。
人生で初めての経験で、気づくまでに時間はかかりましたが、少女に恋をしていまいました。
夢でみていた場面と終盤で蘇る記憶
物語の随所で、遊園地の夢を見ています。
遊園地には妙に現実味があり、でも、思い出せません。
物語の終盤で、少女の先送りが解けるときに全てが明らかになります。
実は湯上と少女は一緒に遊園地に来たことがあり、どうしようもないことが起きていました。
いたいのいたいの、とんでゆけの印象に残った名言
これといった目標もなく生き甲斐もなく幸せもなく、死にたくはないからという理由だけで生きてきた。
いたいのいたいの、とんでゆけ/三秋縋
人は死ぬ勇気があるから自殺するのではない。生きていく勇気がないから自殺するのだ。
いたいのいたいの、とんでゆけ/三秋縋
主人公の地の文です。
ネガティブな理由で生きている人って意外と多いですよね。(自分もですが)
2つ目も考え方の違いですね。
自殺を考えたことがある人は、生きているのが死ぬことより辛いんですよね。
2つとも、自分の心に刺さって、救われました。
感想:いたいのいたいの、とんでゆけ/三秋縋
主人公の考え方が、負の感情が多く、自分との共通点がたくさんありました。
ストーリーは復讐をテーマに進んでいきますが、清々しいくらい気持ちよかったです。
復讐のテーマの裏で、主人公と少女の本当の関係や、お互いの隠し事など。
先が気になり、読むのがとまりませんでした。
まとめ:復讐する少女を美しいと感じた青年
三秋縋さんの3作目「いたいのいたいの、とんでゆけ」の感想でした。
主人公が人生で初めて美しいとプラスの感情を持ったことが嬉しいです。
三秋縋さんは他にも「三日間の幸福」「君が電話をかけていた場所」などを書いています。
詳しくは、三秋縋さんのおすすめ作品を見てください。
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