今回は、三秋縋さんの5作目「僕が電話をかけていた場所」を読了したので感想です。
深町と初鹿野が両想いになれるのか、泡となって消えるのか。
君が電話をかけていた場所の続きになります。
上巻は、君が電話をかけていた場所の感想を見てください。
記事の内容は以下のようになります。
あらすじ:幸せな結末の人魚姫
僕はもうすぐ賭けに負ける。命を取り立てられるその日までに、僕はーーー。
僕が電話をかけていた場所/三秋縋
- 深町陽介ー主人公、初鹿野に想いを寄せている、人魚姫
- 初鹿野唯ー顔に大きな痣がある、星が好き、王子
- 荻上千草ー深町に想いを寄せている
- 檜原裕也ー深町の不良友達、荻上に想いを寄せている
人魚姫をなぞった物語です。
上の4人で天体観測を毎日しているところから始まります。
僕が電話をかけていた場所の面白かったポイント4つ
他にも賭けをしている人がいる
物語が進むにつれて、荻上も謎の少女と賭けをしていることが分かります。
深町は初鹿野と、荻上は深町と、どちらかの願いしか達成できません。
荻上にとっても深町は幼い頃に救ってもらった人でした。
そして、深町の目の前で荻上は泡となって消えます。
初鹿野が変化した理由
初鹿野が塞ぎ込んだ理由は、中学3年生の空白の4日間での出来事でした。
コンプレックスを理由に、仲良くなった友人達と集団自殺を試み、生き残ってしまいました。
初鹿野は自分だけ、普通の穏やかな楽しい生活を過ごしていいのかと悩んでいます。
記憶喪失の初鹿野と他人になりきる深町
初鹿野が再び自殺を試み、運よく助かりましたが、記憶がなくなります。
初鹿野には日記をつける習慣があり、日記の中で1番親しい人は檜原でした。
深町は檜原になりきることで、初鹿野と距離を縮めていきます。
ハッピーエンド
期限の夏休みが終わるまでの10日間を深町(初鹿野に檜原と思われている)と
初鹿野は一緒に過ごします。
謎の少女を突き止め、初鹿野の傍にいることを選んだおかげで、
初鹿野に深町の嘘が気づかれて、両想いになります。
僕が電話をかけていた場所の印象に残った名言
深町「自分の趣味をそこまで信頼できない」
荻上「飽きるか挫折するだろう・・(中略)・・予防線として手を抜いてしまう」
僕が電話をかけていた場所/三秋縋
天体観測好きの初鹿野と檜原に向けた2人の言葉です。
この言葉は、共感しました。
「本気を出して、出来なかったときがダサい」という感情。
本当にダサいのは何事にも本気になれないことなのに。
僕は死ぬまでこの幸福な奴隷なのだろう
僕が電話をかけていた場所/三秋縋
「小学校時代に深町が初鹿野に慰められた記憶で一生幸福でいられる」という意味です。
たった1つでも、自分の中に幸福な記憶があると、生きていけますよね。
感想:僕が電話をかけていた場所/三秋縋
全体的に甘酸っぱい青春が多いですが、謎の伏線回収が見事でした。
謎の少女は幸せな結末の人魚姫が達成できるのか様々な壁を与えました。
深町が幼い頃に助けられた人魚と、謎の少女の関係が把握しきれませんでした。
三秋縋さんはあとがきで書いているような、ひと夏を体験できました。
まとめ:幸せな結末の人魚姫
三秋縋さんの5作目「僕が電話をかけていた場所」の感想でした。
人魚姫の内容を幸せな結末にするとこんな感じなのかなって。
三秋縋さんは他にも「いたいのいたいの、とんでゆけ」「恋する寄生虫」を書いています。
詳しくは、三秋縋さんのおすすめ作品を見てください。
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