Spoonで弾き語り配信、最初に何を足す?聞いてきた側として気づいた順番

弾き語り配信について調べると、急にハードルが上がった気がしないだろうか。

「ボーカル用とギター用でマイク2本」「XLRじゃないと歌枠はきつい」「コンデンサーマイクはファンタム電源が……」。出てくる言葉がどんどん専門的になって、読んでるうちに「自分にはまだ早いな」と、そっとタブを閉じる。——その気持ち、すごくわかる。

先に結論から言っておく。スマホ1台で、弾き語り配信は十分に成立する。 そのうえでもし何かを足すなら、最初はマイクとオーディオインターフェースをセットで一組——まずはそれだけでいい。2本目のマイクも、難しい構成も、今はまったく要らない。気になったものから順番に足していけば大丈夫だ。

僕は8年、Spoonで弾き語り配信を聞いてきた。今も聞いてるただのリスナーだ。配信する側じゃなく、ずっと聞く側として、いろんな人が機材を入れていくのを横から眺めてきた。その立場から、「実際、どこで音が変わったと感じたか」「逆に何は要らなかったか」を、順番に話していく。煽るつもりはない。ただ、止める理由もない、という話だ。

まず、弾き語りもスマホ1台で成立する

機材の話をする前に、はっきりさせておきたい。スマホ1台での弾き語り配信は、それで全然いい。

聞いてる側の本音を言うと、音質は、よほどノイズが乗っているとかでなければ、そんなに気にしていない。少なくとも僕はそうだ。ギターと声のバランスが取れていて、ちゃんと声が聞こえてさえいれば、それで弾き語り配信は気持ちよく聞ける。 最初から完璧な音を求めて聞きに来るリスナーは、まずいない。

だから今スマホ1台なら、それで何も問題ない。問題ないどころか、「もう少し良くしたいな」と気になり始めた今の気持ちこそが、ちゃんと次に進んでいるサインだ。焦らなくていい。でも、自分を「まだ早い」と止める必要もない。

聞いてきた側として「お、変わった」と感じた順番

これが一番伝えたいことなんだけど、8年聞いてきて、弾き語り配信者が機材を入れて「お、変わったな」と感じる瞬間には、だいたい順番がある。スペックの話じゃなく、聞いてる側に届く変化として、だ。

ひとつ目は、声がクリアになること。そして、エコー。

声がクリアになるのは、わりと素直に「良くなったな」と伝わる変化だ。声が前に出て、聞き取りやすくなる。ここは誰にとってもプラスに働きやすい。

そこにエコーが加わると、印象がもう一段変わる。ただ、エコーは好き嫌いが分かれるところだ。たっぷりかかっていると、いわゆる「カラオケで気持ちよく歌っている人」を聞いている感じになって、それが好きな人もいれば、エコーはない方が好きという人もいる。逆に、自然にかかっていて言われないと気づかないくらいが心地いい、という人も多い。だからエコーは「かければ正解」ではなくて、自分の歌に合わせて加減するもの、くらいに思っておくとちょうどいい。

ふたつ目は、歌と歌の「間」に、BGMをすぐ流せるようになったとき。

これは弾き語り配信ならではの利点だと思う。歌っている最中はもちろんBGMなんて要らない。でも、歌っていない時間——トークしたり、次の曲を準備したりしている間に、聞いてる側からすると「ちょっと静かすぎるな」という時間ができることがある。

ここがリスナー視点で面白いところなんだけど、この”間”、実は配信してる側はそんなに気にしていないことが多い。自分の出している音をリアルタイムで聞いているわけじゃないから、無音が続いていても本人にはピンとこないのだ。一方で聞いてる側には、その静けさはけっこうはっきり届いていて、なかには「なんだか静かすぎて、ちょっと気まずいな」と感じる人もいるくらいだ。

そこにBGMをサッと流せると、その間が自然に埋まって、配信全体がぐっと締まる。配信してる本人は気づきにくいぶん、これは聞いてきた側だからこそ言える利点だと思う。

で、この「声を整えてエコーをかける」のも「BGMをすぐ流す」のも、土台になっているのがオーディオインターフェースという機材だ。マイクの音をきれいに整えて配信に送る、小さなミキサーのようなもの、と思ってもらえればいい。エコーをかけたいのも、BGMを流したいのも、音をクリアにしたいのも、だいたいこれ1台が起点になる。

だから、弾き語りで最初に足すなら——いきなり高いマイクを単体で買うより、マイク+オーディオインターフェースをセットで、それぞれ金額を抑えて揃える方が、後々後悔しにくいと思う。マイクだけにお金をかけても、それを活かす土台がないと宝の持ち腐れになりやすい。理屈はともかく、聞いてきた体感としてそう感じる。

気になる総額だけど、僕が知っている定番の組み合わせ(AG03=オーディオインターフェース+AT2020=マイク+ケーブル)で、2021年当時は約2万9千円だった。今は物価も上がって後継機も出ているから、3万円台前半くらいを見ておくと安心だと思う。どの製品をどう繋ぐかは、▶【iPhone】ライブ配信で最低限必要な機材8つ|接続方法まで説明で具体的にまとめてあるので、そっちを見てほしい。

マイクはコンデンサーマイク(AT2020など)が弾き語りの定番だ。声のクリアさにも、ギターの空気感にも向いている。僕自身もAT2020を持っているし、オーディオテクニカの公式メディアでも、弾き語り配信向けの定番としてこのマイクが挙げられている。「みんなが使ってる定番を選んでおけば外さない」くらいの気持ちで大丈夫だ。

弾き語りならではの、つまずきポイント

押すだけ押して終わるのもフェアじゃないので、弾き語り配信ならではの注意点も正直に書いておく。

ひとつは、声とギターの音量バランス。スマホ直だと、どちらかが埋もれて聞こえることがある。さっき「バランスさえ取れてれば聞いてて満足」と書いたけど、逆に言うと、ここが崩れていると機材うんぬん以前に聞きづらい。オーディオインターフェースを入れると、このバランスをつまみで整えられるようになる。

もうひとつは、コンデンサーマイクは生活音もよく拾うこと。エアコン、外の音、衣擦れ、ギターのきしみ、地味なところだとお腹の鳴る音まで入る。きれいに録れるぶん、余計な音もきれいに拾ってしまう。対策はあるし(設置を工夫する、など)、慣れれば問題にならない。ただ「買えば全部解決」ではなく、少し環境を整える前提で選ぶと後悔が減る。

なお、Spoonのようなアプリでステレオ・片耳問題みたいな細かい技術的な話もあるんだけど、そのあたりは詳しく解説している人が他にいるので、ここでは深入りしない。繋ぎ方で迷ったら、機材の記事に画像つきでまとめてあるから、そっちを頼ってほしい。

マイク2本・XLRは、今はまだ気にしなくていい

弾き語りを調べると、「ボーカル用とギター用でマイク2本」みたいな理想構成がよく出てくる。最初にハードルを感じる原因の多くは、これだと思う。

はっきり言っておく。あれは、演奏をしっかり録りたい人の話だ。 スマホで弾き語り配信を続けるだけなら、2本目のマイクは、まず要らない。

リスナー目線で、もっと正直なことを言う。2本目のマイクにお金をかけるために、バイトや仕事を増やして、その分配信する時間が減ってしまう——聞いてる側からすると、そっちの方がよっぽど寂しい。 立派な機材がそろっていることより、いつもの時間に配信していてくれることの方が、ずっと嬉しいのだ。だから、お金と時間を機材のために削るくらいなら、今のままでいい。

理想構成は、「もっとやりたくなってから」で間に合う。まずはセット1組。それで弾き語り配信は、十分すぎるくらい良くなる。

スマホでもPCはいらない

「弾き語りの機材って、PCがないと無理なんじゃ?」と思うかもしれないけど、スマホで大丈夫だ。変換ケーブルさえあれば、スマホにオーディオインターフェースを繋いで配信できる。

具体的にどの製品を選んで、どう繋ぐかは、▶【iPhone】ライブ配信で最低限必要な機材8つ|接続方法まで説明で、必要なものと繋ぎ方まで画像つきで説明している。次はそっちを見てほしい。

まとめ:気になってる、その時点でもう十分

弾き語りは、気持ちのいい音がまっすぐ報われやすいジャンルだと思う。声を整えてエコーを乗せる、歌の合間にBGMをサッと流す——たったそれだけで、配信の景色がけっこう変わる。

でも、最初から全部そろえる必要はない。スマホ1台で十分成立しているし、足すとしても順番がある。2本目のマイクも、XLRも、今はまだ気にしなくていい。まずはマイク+オーディオインターフェースをセットで、ひとつ。それで十分だ。

そして、「もう少し良くしたいな」と気になり始めた、その気持ち自体が、足していい一番のサインだ。「自分なんてまだ」と止めなくていい。気になってるなら、もう十分に資格はある。

次は、▶【iPhone】ライブ配信で最低限必要な機材8つ|接続方法まで説明で、実際に何を選べばいいかを見てみてほしい。あなたの弾き語りが、もっと気持ちよく届くきっかけになれば嬉しい。

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