配信を始めて、しばらく経った。
最初は暇つぶしのつもりだったかもしれない。なんとなく始めて、なんとなく続いて、リスナーもちょっとずつ増えてきた。そんな頃に、ふと頭をよぎる。
「機材って、買った方がいいのかな」
他の配信者が機材を使って配信しているのを見て、いいなと思う。でも、自分から「機材ほしい」とは言いにくい。自分なんてまだそんな段階じゃない、って思ってないだろうか。
先に言っておく。その「まだ早い」は、ほぼ勘違いだ。 僕は8年、配信を見てきた。自分で配信していた時期もあるけど、どちらかと言うとずっとリスナー側で、いろんな配信者が機材を入れていくのを横から眺めてきた。その中で言えるのは、機材を入れて後悔した人より、「もっと早く買えばよかった」と言う人の方が圧倒的に多いということ。気になってる時点で、もう十分すぎるくらいのきっかけになってる。
焦る必要はない。でも、自分を「まだ早い」と止める必要もない。なぜそう言えるのか、順番に話していく。
まず大前提:スマホだけで、全然いい
機材の話をする前に、はっきりさせておきたい。スマホ1台での配信は、何も恥ずかしくない。
そもそも配信アプリを始める人の多くは、最初から「配信者として頑張るぞ」と意気込んで入ってきたわけじゃない。暇つぶしだったり、なんとなくだったりする。それでいい。そして実際、スマホのマイクは思っているよりちゃんとしていて、雑談でも歌でも、最初のうちはこれで成立する。
もし周りに機材を使ってる配信者が多くて、なんとなく引け目を感じているなら——それも気にしなくていい。それはあなたの問題じゃなくて、たまたまそういう環境にいるだけの話だ。少なくとも、リスナーが「機材がないなんて」とあなたを責めることは、まずない。そういう人たちじゃない。
機材は「配信を続けるための条件」じゃない。「続けたくなった人が、もう少し楽しむための道具」だ。この順番が逆になると、買っても使わなくなる。だから今スマホ1台なら、それは何も問題ない。問題ないどころか、気になり始めたという今の気持ちこそが、ちゃんと次に進んでいるサインだ。
それでも機材が気になり出す、4つのきっかけ
人が機材を意識し始める瞬間には、だいたいパターンがある。当てはまるものがあれば、それはもう買い時が近い。
① 機材を使った配信に、なんとなく憧れがある
理由はうまく言えないけど、機材を並べて配信している人が、なんとなくかっこよく見える。あの感じになりたい。——これは立派なきっかけだ。「音質のため」みたいな実用的な理由がなくても全然いい。憧れは、配信を続ける一番のガソリンになる。言い出しにくいだけで、こう思ってる人はすごく多い。
② リスナーから「機材買わないの?」と言われた
これも本当によくある。自分から欲しいと言う前に、聞いてくれているリスナーの方から話題に出してくる。これは、リスナーが「この人にもっと長く配信を続けてほしい」と思ってる証拠だったりする。機材を勧めるのは、あなたにこの場所に居続けてほしいからだ。言われてちょっと意識し始めた、ならもうタイミングが来てる。
③ エコーをかけたい、みたいな「やりたいこと」が出てきた
歌配信で声に少しエコーをかけたい、BGMを流したい。そういう具体的な「やりたい」が出てきたら、それはスマホだけだと届かない領域に手が伸び始めたということ。動機がはっきりしているぶん、買って一番満足しやすいパターンでもある。
④ 気づいたら、投げ銭が「浮いて」いた
最初から投げ銭目当てで配信してる人は、まずいない。なんとなく続けてたら、リスナーが応援してくれて、気づいたら少し溜まってる。——この「浮いたお金」が、ずっと気になっていた機材の、最後のひと押しになることが多い。
自分の財布から出すと「自分なんかに早い」とブレーキがかかる人も、応援でもらった分なら「これで買ってみようかな」と素直になれる。もしすでに少し溜まってるなら、それは機材に変えていいお金だ。リスナーもきっと、その方が喜ぶ。
リスナーは、機材の有無をちゃんと見てる
これは一番伝えたいことなんだけど、機材を入れるかどうか迷う時、一番の不安は「本当に変わるの?自己満足じゃないの?」だと思う。これにはっきり答えておく。変わる。そして、その変化はちゃんとリスナーに伝わってる。
実際、配信者が機材を入れると、リスナーの方から「機材買った?」と聞かれることがよくある。音が良くなったことに、聞いてる側が先に気づくのだ。自己満足じゃない。あなたが出した変化は、ちゃんと相手に届いて、反応が返ってくる。
それに、配信タイトルに「機材配信」と入れると、それを見て聞きに来る人がいる。「機材を使ってるなら音がいいんだろうな」と、タイトルだけで足を止めてもらえる。実際、”機材配信”の文字につられて入ってきた、という声は何度も聞いたことがある。新しいリスナーと出会うきっかけが、ひとつ増えるということだ。
機材を入れることは「自分のため」だけじゃなく、聞いてくれてる人へのちょっとしたプレゼントにもなってる。だから、気になってるなら入れていい。胸を張っていい。
きっかけ別:今のあなたが、まず検討すべきもの
「で、結局何を買えばいいの?」に答える。ただ、その前にひとつ、知らないと損する大事なことがある。
スマホ配信で本当に音を良くしたいなら、結論は「マイク+オーディオインターフェースをセットで」だ。
正直に言うと、安いマイクやイヤホンマイクをスマホに直接挿すのは、あまりおすすめしない。ノイズがのりやすかったり、Spoonのようなアプリだとうまく認識されなかったりする。スマホ側ではマイクが繋がっていても、アプリ側ではうまく拾えていないように感じる場面もあった。音量が小さかったりノイズが入ったり——理屈はともかく、「安いマイクを直挿し」は思ったより安定しない、というのが正直な体感だ。下手をすると、スマホそのままの方がクリアだった、なんてことも起きる。
もちろん、配信用のちゃんとしたマイクをオーディオインターフェース経由で繋げば、この問題は起きない。ただ、いきなり高いマイクを単体で買うよりも、オーディオインターフェースとマイクをセットで、それぞれ金額を抑えて揃える方が、後々後悔しにくいと思う。マイクだけにお金をかけても、それを活かす土台(オーディオインターフェース)がないと、宝の持ち腐れになりやすいからだ。
オーディオインターフェースというのは、マイクの音をきれいに整えて配信に送る、小さなミキサーのような機材のこと。これがあると、やれることが一気に増える。エコーをかけたいのも、BGMを流したいのも、音をクリアにしたいのも、だいたいこれ1台が土台になる。
気になる総額だけど、僕が買った時はAG03(オーディオインターフェース)+AT2020(マイク)+ケーブルで、セット約2万9千円だった。今は物価が上がっていて後継機も出ているから、3万円台前半くらいを見ておくと安心だと思う。決して安くはない。でも一度買えば長く使えるし、壊れにくい。僕も当時買ったものを、何年も問題なく使えた。
どの製品を選ぶかは、▶【iPhone】ライブ配信で最低限必要な機材8つ|接続方法まで説明で、必要なものと繋ぎ方まで具体的にまとめてる。次はそっちを見てほしい。
「機材ってPCがないと無理なんじゃ?」と思うかもしれないけど、スマホでも大丈夫だ。 変換ケーブルさえあれば、スマホにオーディオインターフェースを繋いで配信できる。繋ぎ方も上位記事で画像つきで説明してるから、安心してほしい。
実は、買ってから「良かった」と気づくこと
これは買う前にはあまり意識されないけど、入れた人がよく「地味にこれが快適」と言う副産物がある。
オーディオインターフェースを入れると、声とBGMの音量を別々に調整できる。スマホだけだとBGMを流すと声が埋もれたり、音量バランスに苦労したりするけど、それがつまみひとつで整う。マイクのオン・オフの切り替えも簡単だから、ちょっと席を外す時や咳をしたい時にもサッとミュートできる。
「音質のため」に買ったはずが、いざ使うと「操作がこんなに楽になるとは思わなかった」となる。これは弾き語りでもトークでも同じで、配信そのもののストレスが減る。狙ってなかったぶん、嬉しい変化だ。
買う前に、これだけは知っておいてほしい
押すだけ押して終わるのもフェアじゃないので、注意点も正直に書いておく。
一番よくあるのが、コンデンサーマイク(感度が高くて音をきれいに録れるマイク)を買ったら、思った以上に生活音を拾ったというケース。エアコン、外の車の音、衣擦れまで入る。きれいに録れるぶん、余計な音もきれいに拾ってしまう。対策はあるし(マイクの種類を変える、設置を工夫する、など)、慣れれば問題にならない。ただ「買えば全部解決」ではなく、少し環境を整える前提で選ぶと後悔が減る。
そして、一番のハードルである「使いこなせるか」について。正直、最初は設定でつまずくこともある。でも、繋ぎ方さえ分かれば難しくないし、完璧に準備してから配信する必要なんてない。
むしろ、とりあえず繋いで配信を始めてみると、リスナーが「その機材ならこうするといいよ」と教えてくれることも多い。配信機材の話は、配信者同士やリスナーとの間で、自然と共有されていく。だから、わからないことだらけでも飛び込んで大丈夫だ。
まとめ:気になってる、その時点でもう十分
機材は、配信を頑張る義務でも、立派な配信者の証明でもない。続けたくなった人が、もっと楽しむための道具だ。
そして、「気になり始めた」というその気持ち自体が、買っていい一番のサインだ。早く入れた人ほど、配信を長く、楽しそうに続けている。「自分なんてまだ」と止めなくていい。気になってるなら、もう十分に資格はある。
次は、▶【iPhone】ライブ配信で最低限必要な機材8つ|接続方法まで説明で、実際に何を選べばいいかを見てみてほしい。あなたの「ちょっと気になる」が、いい配信に変わるきっかけになれば嬉しい。



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